「教育はしてる。でも“定着していない”気がする」
——その感覚、正しいです。
毎年のように繰り返される新人研修。
マニュアルを作り直し、スライドを見せ、教育動画を流す。
「これで完璧」と思ったのに、数週間後にはこう感じたことはありませんか?
- 研修で伝えたはずのことが、現場で活かされていない
- 質問をすると「聞いた気がしますが…」と返ってくる
- 研修直後だけモチベーションが上がって、すぐ元通りになる
どれも、「研修あるある」として諦められてきた現象です。
でも、それには理由があります。
なぜ、教育動画では“定着”しないのか?
原因はシンプルです。
多くの教育コンテンツが、「インプット」で終わってしまっているからです。
- 視聴するだけ
- 説明を聞くだけ
- 理解したつもりになるだけ
つまり、“受け身”の学習なのです。
知識は得られるけれど、
それを“使う場”や“振り返る場”がなければ、記憶にも、行動にも残りません。
では、どうすればいいのか?
キーワードは3つ。
教育 × AI × 動画
これからの社内研修では、ただ動画を見せるのではなく、
「動画+AI」との対話を通じて、学びを定着させる仕組みが求められてきます。
目次
1. 「わかRoom」——対話型AIで、“わかる”を定着させる学習空間を作っています。
私たち自身も、こうした課題を感じていた企業のひとつでした。
「教育コンテンツは充実しているのに、現場で使われない」
「研修に手間と時間をかけても、定着しない」
「一人ひとりにフィードバックできる余裕がない」
そこで開発を始めたのが、わかRoomというプロジェクトです。
「わかる+Room」——学びが定着する空間をつくる
わかRoom = “わかる”を実感できる学習空間
このプロジェクトは、AIと動画を組み合わせた対話型の教育ツールです。
受け身の研修ではなく、AIとの会話を通じて自分の考えを言語化し、定着させていく——そんな学びを実現します。
年内にプロトタイプ版をリリース予定
現在、わかRoomは開発中で、2025年中のプロトタイプ版リリースを目指しています。
今後は実際の企業様に導入いただきながら、
フィードバックをもとに正式版へとブラッシュアップしていく予定です。
2. 動画を見るだけじゃない。“AIと話す”ことで学びが深まる新しい教育の形
たとえば、社内でよくある「電話応対の研修動画」。
新人は動画を見ながら「ふむふむ、こうやって対応するのか」と思ってくれるでしょう。
でも、実際に電話を取ると——
- 声が小さい
- 相手の言葉に反応できない
- パターン以外の展開で固まる
ということが起きがちです。
これは、インプットだけで終わってしまっているからです。
本当の理解や成長は、「自分の言葉で返す」「実践を想定する」ことで初めて始まります。
そこで登場するのが、“対話型AI”
従来の教育動画にChatGPTなどのAI技術を組み込むことで、以下のような体験が可能になります。
学習の流れイメージ
- 動画が再生される(例:クレーム対応のやりとり)
- シーンの途中で「あなたなら、なんと返しますか?」とAIから質問
- ユーザーがテキスト or 音声で回答
- AIがフィードバック:「その答えも良いですね。ただ、こんな言い方もあります」
- 再度動画が進行 → 学びが“定着”
なにがすごいのか?
従来の動画研修 | わかRoomの対話型学習 |
---|---|
一方的に情報を受け取る | AIとのやりとりで理解を深める |
理解しているかどうか不明 | AIがその場で返してくれる |
記憶に残りにくい | 言語化することで記憶が強化される |
実践とのギャップが大きい | シミュレーションで疑似体験できる |
フィードバックを「自動」で、しかも「個別に」
これまでの教育現場では、“人”が一人ひとりにフィードバックを与えるには限界がありました。
でも、AIなら24時間・何度でも相手をしてくれます。
しかも、ミスしても叱られない。緊張もしない。繰り返せる。
だからこそ、“わかる”から“できる”への移行が、自然と進んでいくのです。
3. クレーム対応も、1on1も。わかRoomが活躍する“社内研修のリアルな現場”
「AIで研修」と聞くと、どこか未来の話のように思えるかもしれません。
でも、わかRoomは、いま現場で起きている課題に“今すぐ”使える仕組みとして設計しています。
たとえばこんな場面で活躍します
クレーム対応のロールプレイ
クレーム対応は、教科書通りにいかない現場力が問われる分野。
でも、それを現場に出る前から疑似体験できたらどうでしょうか?
- 「申し訳ございません」の声のトーン
- 相手の怒りに飲まれず、冷静に返す言葉選び
- 感情的な状況における“間”の取り方
わかRoomでは、AIがクレーム役となり、ユーザーが対応する形式で学べます。
その場でフィードバックも返ってくるので、どこがよかったか・改善点は何かがすぐにわかります。
1on1ミーティングの練習
最近は多くの企業で導入されつつある1on1面談。
でも、「何を話せばいいかわからない」「フィードバックの仕方に悩む」という声も少なくありません。
わかRoomでは、AIが部下役となって対話を行うモードも準備中です。
- 傾聴スキル
- 共感のリアクション
- 前向きなフィードバックの伝え方
これらを、実際にAI相手に話しながら練習できるように設計しています。
研修講師の“肩代わり”としても
人手が足りず、研修は動画を見せて終わり…というケースもあります。
でも、それではせっかくの教育内容がもったいない。
わかRoomは、**講師の代わりに“質問し、話を聞き、フィードバックを返す”**という役割を担います。
教育担当者はサポートに回り、個別対応のコストを下げることが可能になります。
導入のハードルは“思ったより低い”
動画とAIを組み合わせるというと、「技術的に難しいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
でも実際は、
- 既存の教育動画に、少し工夫を加えるだけ
- ChatGPTなどのAPIを活用すれば、初期構築も短期間で可能
- 社内用のミニアプリとして、まずは一部部署で運用もOK
わかRoomも、まさにそのようなスモールスタートからはじまっているプロジェクトです。
4. よくある質問
Q. AIが答える内容は事前にコントロールできる?
ベースはChatGPTですが、シナリオや回答トーンはある程度カスタマイズ可能です。
Q. 動画はうちの既存の研修動画を流せる?
はい、動画URLまたはファイルをご提供いただければ対応できます。
Q. 個別ログや回答履歴は取れる?
プロトタイプでは一部のみ実装中。正式版では個別ログ機能を搭載予定です。
わかRoomが目指す未来
- 研修を“イベント”で終わらせない
- 人に任せすぎず、学びを自走化させる
- 「わかったつもり」で終わらない、“話して・考える”研修をあたりまえにする
「教育 × AI × 動画」は、これから確実に広がっていく分野です。
私たちは、まずは小さく、でも確実に“わかる”を支援するプロダクトとして、
わかRoomを現場に根付かせていきたいと考えています。
4. 教育の「型」が変わる——今、社内研修にAIを取り入れるという選択
かつて「研修」といえば、
- 研修室に集まり
- 講師が話し
- 配布されたテキストをもとに学ぶ
そんな“一方向の型”が当たり前でした。
その後、動画やeラーニングの普及で、
いつでも学べる・繰り返し視聴できるという環境が整いました。
しかし今、私たちはその次のフェーズに差し掛かっています。
「学ぶ」から「話す」へ
動画や教材だけでは足りないと感じている人が増えています。
- 「知っている」けど「できない」
- 「理解した」けど「使えない」
- 「学んだ」けど「身についていない」
これらのギャップを埋めるには、
実際に“アウトプットする場”=話す・答える・振り返る体験が欠かせません。
AIだからこそできる“対話のデザイン”
AIが講師の代わりになり、
何度でも、誰にでも、同じ熱量で問いかけ、反応してくれる。
しかも、プレッシャーも、評価もない安全な空間で。
これは、人間では提供しきれなかった学習体験です。
中小企業だからこそ、先に動ける
大企業のように高額な研修予算や講師陣が揃っていなくても、
わかRoomのようなツールを使えば、
再現性があり、現場に合わせた研修設計が可能になります。
むしろ、柔軟に新しい取り組みができる中小企業こそ、
この“教育の変革”に一歩早く乗るチャンスがあります。
まとめ
- これまでの研修はインプット中心だった
- 対話型AIでアウトプットを取り入れることで、“わかったつもり”が“実際にできる”に変わる
- わかRoomは、その“定着の仕組み”を提供するプロダクト
- 今こそ、研修の型を変えるタイミング
わかRoomは現在、開発中
2025年中のプロトタイプ公開を目指して、
実際の社内研修に適した形で開発を進めています。
ご興味のある企業さまや教育担当の方がいらっしゃいましたら、
ぜひ一度お声がけください。
“わかった気がする”を、“できる自信”へ。
わかRoomは、これからの学びを支える“新しい教室”をつくります。